| 第46回護憲大会 第3分科会「歴史認識と戦後補償」報告 2009年11月02日 |
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| 第3分科会「歴史認識と戦後補償」は、「従軍慰安婦」や強制連行・強制労働、歴史歪曲教科書、さらには政府要人発言など、日本と日本人の歴史認識・人権意識が世界各国の決議や国連人権機関、東アジア諸国民から批判を受けている状況を踏まえて、「在日朝鮮人歴史人権週間」や「恒久平和調査局設置法」のとりくみ、歴史教科書採択など歴史認識の課題と、企業責任明確化など戦後補償の実現に向けて協議する場です。 サンパルテ山王の「千曲」会議室を会場に130人が参加して行われました。関西大学講師の上杉聰さんと戦争被害調査会法を実現する市民会議事務局長の川村一之さん、ABC企画の三嶋静夫さんの問題提起・助言者、橋本英樹さん(国公総連)、松本耕三さん(全港湾)が運営委員、本村隆幸さん(福岡)、大野貞義さん(群馬)が座長。運営委員の紹介後、座長を選出、その後は3名の講師による問題提起に入りました。 | |||
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プロフィール
大阪市立大学特任教授。日本の戦争責任資料センター事務局長。アジア太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ心に刻む会事務局長。日本近代史、とくに被差別部落の歴史研究を専門とする。1985年の中曽根首相の「靖国神社公式参拝」を機に靖国反対の具体的行動を開始し、同年9月朝日新聞「論壇」欄に「アジア規模の慰霊祭開け」を投稿、1986年より「心に刻む集会」運動の中軸を担う。2001年「つくる会」の歴史教科書採択の動きを許さないとりくみにも先頭に立って奮闘。著書に「明治維新と賎民廃止令」「天皇制と部落差別」「脱ゴーマニズム宣言」他。
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上杉教授はまず政権交代となって期待はあるが、ことはそう簡単ではないこと。むしろ政権が代わったことで私たちの力量が試される局面に入ったと思うとして、可能性はあるが本当に実現できるかは別なことではないかと語りました。右派の強い勢力があるなかで、政府が責任を持ってどうとり上げるか非常に難しい選択を迫られること。政権が代わったということで、問題にすぐ着手できるとは思っていないし、マニフェストにも掲げていないこと。政権交代は生活の問題などで起こったこと。いまの政権を支えながら、次の準備をどうやって行くかという段階にあるのではないかとしました。
次に歴史教科書問題では、つくる会側の分裂により2年後の本格的な採択を前に現在の採択を撤回させ追い込もうという戦略でしたが、横浜市を代表するようにまだ相当の勢力があり、思うような結果にはいたらなかったこと。しかし、1997年に閣議決定されている、採択は細分化し、学校段階でやるべきだということを、文部科学大臣が強力にやれば状況は一変するとしました。そして、これからを進めるためには、教育改革を地方の首長に任せるという方針とぶつかり合うことになるので、教育行政全般と教科書採択を分けてやるなどきめ細かな対応の必要性についても提起しました。 その他、戦後補償に関連する法案のとり扱いについて、現在出されている4つについては現内閣の布陣や右派の考えから、通せるところからやっていく運動を始める必要があること。2010年は韓国併合100年であり、こういう節目のときは問題を解決する機運が高まり、チャンスであるとしました。 また鳩山首相が訴えている「東アジア共同体」により新しい平和の枠組みをつくるためには、大東亜共栄圏との違いを表明するため、公式謝罪と被害者への補償をして提起して行くべきであること。そこにこれまでの運動が結びつく、数年間にしようと訴えました。 |
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プロフィール
戦争被害調査会法を実現する市民会議事務局長。非核自治体全国草の根ネットワーク世話人。1952年生まれ、大阪府出身。東京理科大学卒。1979年から99年まで東京・新宿区議会議員。非核宣言の条例化と非核法制定、北東アジアの非核化、脱原発、平和博物館の設置を求める非核自治体運動、陸軍軍医学校跡地で発見された「人骨」問題の真相究明などにとりくむ。現在は、アジア太平洋戦争の歴史事実を明らかにする恒久平和調査局設置法(衆議院で継続審議中)の制定に奔走する。
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次に川村事務局長からは、「鳩山政権は村山談話を踏襲し、李明博大統領からも『歴史をしっかりと見つめる勇気をもった政権』と表明されている。鳩山政権は踏み込めるのか」と指摘。鳩山新政権に期待をして10月だけでも重慶爆撃の被害者、広島や富山での強制労働の被害者など中国や韓国から多くの人が来日したことが紹介されました。これまで村山談話から15年経つが戦後補償は問題にされず、ようやく鳩山政権の下で歴史認識の論争から脱却をして、行動に移すときだと感じていること。被害者も期待を大にし、早く解決を求めていること。
また、ドイツの戦後補償の事例を出して、ドイツは第一次世界大戦に敗北しヴェルサイユ条約で多額の賠償を政府と企業が行ってきたこと。そのなかに政府も道義的責任を認めるということが書いてありこのような包括的な解決が望ましいと語りました。 東アジア共同体については、日本が声高に言うとアジアの人たちは大東亜圏の話になる、として当時海軍や陸軍が考えついたことについて詳しく説明がありました。 これらの経過から十分な歴史を踏まえた対応が重要であるとしました。 |
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プロフィール ABC(Atomic核 Biological生物 Chemical化学兵器 に反対)企画事務局長。731部隊展、毒ガス展などを全国で展開。戦争責任の問題にとりくむ。 |
| ABC企画の三嶋事務局長からは、731部隊細菌戦裁判の経過や今後の活動について説明がありました。裁判で日本政府は、始めの4年間一言もしゃべらず、事実の有無を認否しない態度に終始したこと。これに対し原告団は、次々に証拠を提出し、また、被害の実情を訴えてきたこと。その結果、2002年8月27日東京地裁は細菌兵器の使用が国際法に違反し、国家責任が成立すると認定したこと。しかし、交戦した相手国の被害者から提訴されても答える責任はなしという国家無答責の法理を適用して、個人の損害賠償請求は否認されたこと。この不当な判決に対し控訴したが、二審でも敗れ、最後の最高裁をたよりにしてがんばったが原告の請求を棄却すると通告があり敗訴したこと。新しい政権になって私たちも新しい方法で訴えていこうと新たな行動を始めたこと。正式な謝罪と未決の戦争責任を果たすよう、新たな運動を展開していくと力強く主張しました。 | |||
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その後意見交換に入り、参加者からは、東京大空襲訴訟の東京地裁判決を前にした、これまでの運動の経過と空襲の状況について。石川県七尾市の中国人強制連行に対するとりくみ、平和的生存権、三審制の問題。秋田の花岡資料館のとりくみ報告と参加した感想。杉並区での教科書採択の現状について、など多くの意見や助言者への質問が出されました。石川の参加者から、「憲法から見て補償の必要性があるのではないか。また、三審制が機能していないため憲法改正が必要なのではないか」という質問があり、これに対して、上杉さんは「いいとは思わないが、外国の方を対象としていないため憲法は補償する根拠となっていない」と述べ、川村さんは「国際条例で押さえていかなければならない。赤十字条例違反であるために補償すべきとしてはどうか」と指摘しました。
最後に各助言者から、上杉教授からは、「差別を行ってきたのは日本人だが、平和の運動を行っているのも日本人。日本人も捨てたものではない。みんなでとりくんでいこう」、政権を握っていることはすごいことであり、反対勢力がぶり返す前にこれらの問題の解決を図るということが大事であること。川村事務局長からは、恒久平和議連設立のときのあいさつで鳩山さんは、「国民も国会も心からの謝罪をいまだにしていない。官僚体制の問題もあるが私たち自身が世界に向け真実を言う優樹がない真相究明は当然のこと、国会には勇気を持って国民に真相を明らかにして行く義務がある」と言っていること。私たちの運動は鳩山さんが考えていることをできるようにしてあげることではないかと提起。最後に、三嶋さんからは、裁判で負けた後も現地では努力されている事実を大切にしなければならない、そのためにも今後も連帯を続けていきたいこと、全体を通しての発言を受けました。 政権交代で期待感と同時に不安感はあるが、一人ひとりの声を政治の場につなげ、謝罪と補償を求めていこう。そして、反戦・平和の世界へ。今日の議論を地域に広めるようみんなでがんばっていくことを確認して、分科会を終了しました。 |
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