第46回護憲大会 閉会総会 特別提起        2009年11月03日
「女性差別撤廃条約の実行と選択議定書の批准を求めて」
                         I女性会議共同代表   東 定 喜美子
   ご紹介いただきました、I女性会議共同代表の東定でございます。I女性会議は結成から間もなく半世紀を迎えようとしております。この間、私たちは平和憲法と女性差別撤廃条約の理念を活かして、平和と人権の確立、女性の地位向上とジェンダー平等を実現する運動にとりくんでおります。今年は、女性差別撤廃条約が国連で採択されて30年、それから、さらに条約を実効あるものにするための女性差別撤廃条約選択議定書が採択されて10年になります。
 今年の7月に、日本政府の女性差別撤廃条約の実施状況の報告が審議され、勧告が出されるということで私たちNGO団体は、日本の政府のとりくみの状況の女性差別の現状につきまして、女性差別撤廃委員会のほうに、日本の状況についてレポートを送り、同時に選択議定書の批准を求める誓願署名運動にとりくみました。その署名活動には、平和フォーラムの参加団体の協力を得まして、13万2104筆の署名をいただき、本当にありがとうございました。この席をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。
 さて、女性差別撤廃条約の中心理念は、男は仕事、女は家庭という性役割にとらわれず、男性も女性も、仕事と家庭というジェンダー平等の理念を実現することがめざされております。30条からなる条文には、女性差別の定義をはじめ、ジェンダーに基づく差別の撤廃、女性の政治参画、教育や雇用における差別、婚姻、家族関係における差別の撤廃が規定され、その撤廃義務を各国政府に義務づけている点で一歩進んだ人権条約でございます。
 日本は1985年にこの男女雇用機会均等法を制定し、家庭科の男女共修、国籍法の改正を行って、条約を批准しました。そして1999年に、男女共同参画社会基本法という法律を制定、そして施行しまして、現代男女共同参画行政が進められております。しかし、この30年間の日本政府のとりくみは遅れておりまして、女性差別はいまなお社会や地域、雇用や教育などに根強く存在しております。働く女性の半数以上が非正規雇用であり、女性の意思決定の場への参画も少ないので、日本の女性の地位は世界経済フォーラムの今年の10月9日の発表によりますと、世界130カ国中、日本は75位と低いのでございます。
 また、女性差別撤廃条約選択議定書は、今日では女性差別撤廃条約の締約国186カ国中98カ国が批准をしているんですが、日本はまだ批准をしておりません。しかし、選択議定書は締約国の個人または個人の集団に直接申し立てできる権利を与え、国連は通報に基づいて調査・審議を行い、当事国政府に意見・勧告ができます。女性差別撤廃条約を推進するための有効な内容を定めております。
 私たちは、この日本政府に一日も早く選択議定書を批准するよう要請行動を続けて参りました。しかし、実現しませんでした。今年の7月23日に、国連の女性差別撤廃委員会で、日本政府の第6次報告書が審議されました。政府は選択議定書の批准に対する政治的意思表示もされませんで、委員会から厳しい勧告を受けました。その内容は、日本国内法に差別の定義を明記すること、選択的夫婦別姓や婚外子差別など、婚姻に関する民法の差別規定を改正し、2年以内に実効すること。女性の政治的・公的活動への参画を拡大するため、暫定的特別措置を導入すること。選択議定書の早期批准を求めております。その他含めますと、60項目に及ぶものです。私たちは、新政権に対し、女性差別撤廃委員会から受けた勧告の実行を求める活動にとりくんで、自公政権とは異なる男女共同参画政策で、他の先進国に追いつき、女性の人権確立をめざす決意でございます。
 女性が差別され生きにくい社会は、男性にとっても生きにくい社会です。ジェンダー平等社会について学習し、ともにその実現にとりくんでまいりたいと思います。「平和なくして平等なし、平等なくして平和なし」という言葉がございます。これからも、平和フォーラムのみなさんと共闘のなかで運動を進め、他の人権法の確立とともに、日本の民主主義をより前進させたいと願っております。
 最後にみなさまのご理解とご協力をお願いいたしまして、私の報告を終わります。

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