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1800人参加し青森で「不戦と民主主義─戦後の誓いを忘れない 憲法理念の実現をめざす第52回大会(護憲大会)」

2015年11月16日

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   「不戦と民主主義─戦後の誓いを忘れない 憲法理念の実現をめざす第52回大会(護憲大会)」を正式名称に、11月14日から16日までの日程で、青森市のリンクステーション青森(青森市民文化会館)をメイン会場に、全国・青森からの1800人が参加して開催されました。全国47都道府県持ち回りで行われる護憲大会の、青森での開催は初めて。全国39番目の開催県となりました。
   今回の大会は、安倍内閣のもとで、明白に憲法違反である「戦争法」が、9月19日に国会で強行成立され、立憲主義そのものが崩される危機的事態を迎えたなかでのものとなりました。この安倍政権を打ち倒すために総力で対決するとりくみをいかに築くかが問われる大会です。
   大会は、第1日に開会総会・シンポジウム、第2日に分科会・フィールドワーク・ひろば、最終日に閉会総会という日程で行われます。第1日目には、関連企画として「青森大空襲パネル展」も行われました。

→大会呼びかけ文

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   11月14日の開会総会は冷え込みはないものの小雨そぼ降る天候のもと行われました。前段のオープニングでは、青森市在住で津軽を代表する津軽三味線、尺八、横笛奏者の山上進さんたちによる演奏と踊りが行われました。
   開会総会は、総合司会として青森県実行委員会副委員長の近藤秀仁さんとI女性会議青森県本部議長魚の高沢陽子さんが進行しました。最初に、福山真劫・実行委員長の主催者あいさつ、つづいて、所用予定の重なる鹿内博・青森市長が予定順を繰り上げて来賓あいさつ、そして金澤茂・青森県実行委員会委員長(弁護士)の地元あいさつ、 近藤昭一・民主党幹事長代理(衆議院議員、立憲フォーラム代表)、吉田忠智・社会民主党党首(参議院議員)、南部美智代・連合副事務局長の連帯あいさつをそれぞれ行うとともに、出席した地元青森の民主党、社民党、連合の代表が紹介されました。
   このうち福山実行委員長は、「総がかり行動実行委員会」を軸とした戦争法反対の闘いの高揚について「次の闘いへの展望と希望を確集につくり出した」と振り返った上で、当面の課題として戦争法発動阻止・廃止・立憲主義確立、沖縄連帯・辺野古新基地建設阻止、貧困・格差社会の是正、参院選勝利などを挙げ、とくに「参院選は野党共闘しないと勝てない。ともに頑張ろう」と強調し、国政選挙での自民党の得票数を上回る「2000万署名を成功させれば参院選も絶対勝てる」と訴えました。鹿内市長は「集団的自衛権の行使は憲法違反と考えている」と明言。「憲法を変えようとする、そして憲法理念に背く動きを食い止める力は、まさにかつてのベ平連のような市民一人ひとりの力」と述べ、護憲大会への期待感を示しました。金澤県実行委員長は、「戦争をしない国」を誇りにしてきた者として「9月19日以降、私は祖国を失い亡国の民となった」と述べ、「戦争する国は文字通り偽物の国。何としても私たちの国、戦争しない国を取り戻さなければならない」と行動提起。また、野党共闘について「多くの人々が来年の選挙も含めて野党間協力の確かな実現を固唾を呑み、祈るような気持ちで見守っている」と指摘しました。吉田党首は「戦争法にどう歯止めをかけるかが課題。憲法を守らない安倍政権打倒のため、来年の参院選は大きな意味を持つ。踏み込んだ選挙協力をしなければ暴走を許すことになる。各党党首と膝詰めで議論し、全力で戦う」とあいさつしました。
   これらを受けて、藤本泰成実行委員会事務局長が基調提案し、改憲阻止を呼びかけました。

→福山真劫実行委員長の主催者あいさつ   →金澤茂青森県実行委員長の地元歓迎あいさつ   →藤本泰成事務局長の大会基調提案   →大会基調全文

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   開会総会に引き続いて開かれた「戦争法阻止、立憲主義確立、憲法擁護のため私たちは今後どう闘うのか」と題したシンポジウムは、大会実行委員長を務める福山真劫・平和フォーラム代表を司会・コーディネータ。パネリストは、上智大学教授の中野晃一さん、日本体育大学教授の清水雅彦さん、ルポライターの鎌田慧さん、戦争をさせない1000人委員会・信州事務局の喜多英之さん。そのれぞれの立場で昨年から今年にかけての安倍政治に対するとりくみを報告するとともに、今後の展開に向けて意見交換しました。
   中野教授は、冒頭の発言で護憲大会直前に起きたパリ同時多発テロに関して「このことが明らかにするのはアメリカが主導するような対テロ戦争のようなものが誰も安全にしていないこと」と指摘。その上で、「テロリストをつくるような風土をつくる政治のあり方」とは対極にあるものであり、個人の自由と専厳を守る社会を目指す私たちにふさわしいものとして、「違ったまま手を携える新しい運動の形がいま出てきている」と述べ、これが「今回の運動の強さ」だとするとともに、「安全保障は憲法の範囲内で行うべきであり、安倍首相のいう積極的平和主義は決して日本社会の安全を保障しない」「アメリカが世界中でしたい戦争に日本が、肩代わり、参入していくことだ」と述べました。また、討論の中でも、今回の運動が示した特質について「つながることによってすでに変わり出している現実があった」と発言。「他者性を受け入れた上での闘いができた」と、あらためて強調しました。
   清水教授も、フランスでのテロについて発言。「テロの背景には、世界の貧困問題がある。日本政府がすべきことはアメリカの対テロ戦争に協力、参加しないだけでなく、日本国憲法の『平和のうちに生存する権利』という理想を、世界から貧困問題をなくすことを実現することが求められる」と指摘しました。また、今回の「運動の土台をつくったのは総がかり行動実行委員会」と指摘。同実行委の果たした役割は60年闘争のときの安保改定阻止国民会議に匹敵するものだと評価するとともに、共産党系市民団体との共闘に踏み切った「1000人委員会」の決断は大きかったとした。総がかり行動の発揮した肯定的機能としては、「一緒にやることによって参加しやすくなったこと」「運動が政党、国会議員を変えたこと」を挙げました。今後の展望については「反対の声が強ければ、簡単に自衛隊は海外に出ていけないという状況をつくることができる」と強調。今回反対の声を上げた憲法研究者をぜひ運動に活用してほしいと要請しました。
   鎌田さんも、パリでのテロについて「軍事同盟をやったらどうなるかということが今回のパリの事件に象徴されている」と話すとともに、戦争をしないという大切な日本社会の決意を、安倍首相が勝手に潰したことを「侮辱」と表現し「そのことが市民の大きな動きにつながった」との認識を示し、「私たちが力を入れて頑張ればそれに応えてくれる人たちがいる」と振り返った上で、「言葉と行動をどういうふうにつなげていくかということが問われている」と問題提起。「さようなら原発1000万人アクション」の「さようなら」には「原発の時代は終わった」という意味を込めたこと、「戦争をさせない1000人委員会」の「させない」は戦争の前に立ちはだかるという能動的なイメージが投影されていることなどを紹介するとともに、学生団体シールズの言葉が人々の心に届いた要因として、「民主主義って何だ」と仲間に問いかけ、「勝手に決めるな」とあらためて政治権力に要求するという双方向性があると指摘。「民主主義の根源的なところから発する言葉が人の心を動かした」と総括しました。
   喜多さんは、長野の1000人委運動について、団体共闘プラス・アルファという従来のあり方と比べて「質が違った運動ができた」と述べ、その参加・交流型の性格を強調。具体的表れとして、県の1000人委の指示がなくても地域単位の1000人委が運動を継続していること。呼びかけ人164人は単に名を連ねるだけでなく各自の専門分野を生かして実際の行動に参加してもらうこと、地域・生活圏単位で県内13の1000人委が結成され独自の取り組みを展開したことを挙げ、多様性を認めあう柔軟な運動が県内に広がったことを報告しました。労働運動の立場から見た今後の課題に関しては、戦争法は労組にとっての試金石となる課題だったとした上で「全力で闘い切ったのか、市民の意識に乗り越えられていないのか、そういう点を総括しなければならない」と発言。組合員一人ひとりに届く職域段階での運動を強めたいとしました。
   第1日目は最後に三上武志青森県実行委員会副委員長が閉会あいさつをして終了しました。

 

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   第2日の11月15日は、午前から「非核・平和・安全保障」、「地球環境-脱原発に向けて」、「歴史認識と戦後補償」、「教育と子どもの権利」、「人権確立」、「地方の自立・市民政治」、「憲法」の7分科会、「六ヶ所・三沢コース」と「車力・五所川原コース」の2つのコースのフィールドワーク、午後には「男女共同参画-女性と人権」、「辺野古新基地建設反対・沖縄基地問題交流会」、「六ヶ所再処理工場建設をめぐる青森県の原発推進施策」の3つの「ひろば」、特別分科会「運動交流」が行われました。
   このうち、「非核・平和・安全保障」分科会は、軍事ジャーナリストの前田哲男さん、沖縄平和運動センター事務局長の大城悟さんの2人を問題提起者に迎えて開かれました。前田さんは、戦争法は4月末改定合意の新日米ガイドライン(防衛協力指針)を実行するために制定されたにもかかわらず、国会などでの新指針に関する論議は極めて不十分なままだと強調。新指針で「新たな、平時から利用可能な同盟調整メカニズムを設置」するとされた同メカニズムの始動が3日の日米防衛相会談で確認されたこと、また、続く6日の日越防衛相会談では南シナ海に臨むカムラン湾の海軍基地への海上自衛隊艦船寄港が合意されたことに注意を促し、「戦争法はまだ施行されていないが、ガイドラインは実行されるというおかしな事態が生じている」と警鐘を打ちました。自衛隊統合幕僚幹部が法案成立を先取りして作成したとされ、国会で問題となった文書には、同メカニズム内に「運用面の調整を実施する軍軍間の調整所が設置される予定」と明記されています。「駆けつけ警護」などを可能とする戦争法施行を前提にすると、南スーダン派遣PKO部隊の任務の変更が予想されることと関連して、今後の派遣の主力は施設料部隊(工兵)から普通科部隊(歩兵)に移ると指摘しました。大城さんは、辺野古の現状と展望について報告。11月12日に再開された大浦湾の海底ボーリング調査に関して、1.再開は調査が終わっていないこと、すなわち国と県との間の設計協議が完了していないことを意味するにもかかわらず、国は実施設計書などを提出して埋め立て工事の既成事実化をもくろんでいる、2.反対派を排除するために設定した立ち入り制限区域(水域)の根拠を維潜するために、調査期間は引き延ばされる可能性があると指摘。さらに今後のポイントとして、土砂運搬方法の変更および工事に伴う水路(名護市の美謝川)の切り替えに関する埋め立ての「工法変更協議」が完了していないことを挙げて「国が埋め立てを進めるには大きなハードル」と述べ、全国の注目を訴えました。
   「地方の自立・市民政治」分科会では、福島と沖縄の課題から地方自治や地方の自立について考えることをテーマに、東京自治研究センターの伊藤久雄さんが講演。また、自治労沖縄県本部の平良誠さんが、辺野古をめぐる状況を中心に、日本政府と米国に自治権を侵害され続けている沖縄の現状について話をしました。福島県では次々と「避難解除」が進められている。田村市都路地区、川内村東部に続き、9月5日には、原発事故により全域避難となっていた楢葉町(人口約7400人)の遊、難指示が解除されたが、10月末時点の帰還率は4%ほど。しかし、政府は福島第1原発のある大熊町や双葉町などの帰還困難区域を除いて2017年3月までに避難指示解除準備区域と居住制限区域での避難指示を解除し、自主避難者への住宅支援を打ち切る方針を打ち出しています。また、精神的損害賠償についても18年3月で終了するとしています。これらについて伊藤さんは「原発事故をなかったことにしたいという現政権の姿勢が露骨に出ている」と批判。また、中間貯蔵施設の建設をめぐって、地権者2365人のうち現地調査に同意したのは570人で、用地買収に同意した人はわずか9人(9月末)という現状を示し、「汚染土が行き場を失い、県内の市町村同士、住民同士の対立を生んでしまうこと。根本的な問題は、住民と国・自治体との甚だしい乖離(かいり)」と指摘しました。平良さんは、辺野古問題について「地方自治や市民政治の観点からも沖縄の民意はこれ以上ないほどに示されている」としつつ、11月4日からキャンプ・シュワブのゲート前に配置されている警視庁機動隊や、海上保安庁などによりエスカレートする権力の暴力行為について「ここまでの強硬姿勢はかつてなかった。安倍政権が沖縄の温度差を感じ取っているからだ」と話しました。翁長沖縄県知事が行なった辺野古埋め立て承認取り消し処分に対し、国が自らを「私人」として行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止申し立てを国交相に行なったたことについて、平良さんは「私人と国家権力の使い分けは許されない」と批判。2000年の地方分権改革により、国と地方の関係は対等となった。それを受けて設置された国地方係争処理委員会に沖縄県は審査を申し出た。国の関与に対する審査申し出は初の事例となる。伊藤さんは「翁長知事の姿勢や、国と争うことは、地方自治の観点からも非常に意義がある」と述べました。また、伊藤さんは各種選挙の投票率の低さに触れ「まず、来年の参院選は野党が結束して争点を明確する必要がある」とし、平良さんは「沖縄の声を代弁する政治家を送り出さねばならない。安倍政権を打倒し、本物の地方自治を取り戻す闘いを広げたい」と呼びかけました。

→分科会・ひろば報告

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   最終日の閉会総会は、会場をリンクステーション青森(青森市民文化会館)に戻して行われました。最初に、「辺野古新基地建設を阻止するとりくみ」について沖縄平和運動センター議長の山城博治さん、「再処理工場の現状と課題」について青森県実行委員会副委員長の掛村政則さん、「川内原発再稼働に反対する取り組み」について鹿児島県護憲平和フォーラム事務局次長の牟田実さん、「高レベル放射線廃棄物地層処分反対のとりくみ」について北海道平和運動フォーラム事務局長の長田秀樹さんの4人の特別提起を受けました。
   このうち、4月以降闘病のため戦列離脱を余儀なくされていたものの、10月6日からキャンプ・シュワブゲート前の闘争現場に復帰した山城議長は、会場から大きな拍手を浴びて登壇。11月4日以来、警視庁機動隊約150人が常駐し、弾圧体制が強められている現地の状況について「ついに沖縄と日本、ヤマト政府との全面対決に入る構造が出来上がった」と強調。工事関係車両が基地内に入るのを阻止するため連日早朝6時から展開されているゲート前座り込み闘争で11日、結集した約500人の市民が機動隊を押し返し、1時間半にわ渡って車両進入を阻んだと報告し、「私たちの運動の力で安倍の正体を暴き、警視庁を引き出し、全面対決に持ちこんで、その上でこの闘いに勝利して、必ず全国の仲間に気概と勇気を届けたい」と決意を述べました。「辺野古新基地は基地建設の問題ではない」と述べ、これは沖縄を戦場とする戦争準備に反対する闘いだと指摘。「もう一回ヤマト政府の暴挙によって戦場の地獄の業火を浴びなければならない。もしそうなら立って命がある限り闘う。今を置いて闘うときは他にはないはず」と訴え、「希望の中にこそ私たちの闘いはあり、希望の中でこそ命を燃焼させることができるはず」と意気上がる闘いの現場の雰囲気を伝えました。
   次に、「大会のまとめ」を藤本事務局長が提案。大会議論の詳細に触れるとともに、富山で開催する第53回大会まで1年間、全力で安倍政治を許さず、憲法理念の実現をめざそうと訴えました。
→藤本事務局長の大会のまとめ
   大会は、平和・護憲運動の功労者を表彰する「遠藤三郎賞」として、静岡県の浜松市憲法を守る会、平和憲法を守る熊本県民会議議長の福島将美さん、元長崎県労評事務局長の矢嶋良一さんの1団体2個人を表彰しました。その後、「私たちの未来を、命の尊厳を、そして憲法を、安倍政権から奪い返しましょう。そのためにともにがんばりあおう」との大会アピールを採択しました。つづいて、来年の開催地富山の井加田まり県議会議員から決意が述べられ、最後に青森県実行委員会の斎藤憲雄事務局次長の閉会あいさつで3日間の日程を終了しました。
→大会アピール
 

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